インターネットの世界
ある日、友達からショップカードをもらった。
飲食店などによく置いてある、
お店の地図や住所・電話番号などが書いてるあのカード。
彼女が前の彼と一緒に行ったことのあるお店らしく、
「すごく雰囲気がいい」というBAR。
その友人のセンスが良いことと、お店の名前が気になったのとで
その後インターネットで検索してみると、
お店のホームページと、
そこのご主人(オーナー)が書いているブログが出てきた。
正直に言うとお店のホームページは、最近の小洒落たカフェや
ダイニングバーなんかのホームページとそれほど大差ない。
しかしながら、そこのブログ。
BARの裏話や、お店に来るお客さんの話(匿名)、
ご主人(以下Hさん)自身の昔話など。。
更新は週に1回程度だけれど、すごくおもしろい。
もちろん一人の人間の一つの考え方なので、
共感し、頷ける話もあれば、首をかしげてしまうような話もある。
けれども、Hさんのすごく誠実で真面目で真摯な人柄が伝わる、
とても温かみのある文章だった。
「機会があればいつか行ってみたい」程度に思っていたお店が、
ブログを読むごとに「近いうちに行きたい」に変わり、
新たに更新されたブログを読んで
「いつ行ってみようかな」に変わり、
どんどん自分とお店の距離が縮まっていった。
そしてついに明日、
そのお店を紹介してくれた友人と、
もう一人の友人と三人でお店を伺うことになった。
一番新しく更新されたブログをチェックしておいて、
Hさんと直接お話できそうな機会があったらネタにしようと、
例のブログを開いてみると、最新のブログには
いつものHさんの温かみのある昔話と共に
「ブログはこれで終わりにしようと思う。」
と、最後に書かれていた。
これまでも何度か「ブログ書くのやめようか‥」という
迷いとも悩みとも言えるようなことが時々書かれてあったのだが、
継続を希望する読者の強い支持があって、これまで続いていた。
HさんはPCやインターネットにあまり詳しくないようで、
「インターネットって難しいですね」と、
よくブログの中でも言っていた。
自分が書いたブログの内容に対して
手厳しいコメントがついたり、
思っていたことがうまく伝えられなかったり、
他のサイトで中傷されているのを見つけてしまったりして、
そういうインターネットの「不」の部分に
すごく戸惑いを感じていたようだ。
今回ブログを終了するきっかけとなったのも、
匿名の人物が書き込んだ、心ないコメントのせいだった。
匿名性が高くなればなるほど、人は平気で人を中傷し、非難する。
現実の世界だとよっぽど頭のおかしい人しかしないことだけれど、
全く見ず知らずの人に対してでも暴言を吐くことができる。
そんな一人の人間の一文の書き込みによって、
大勢の人が楽しみにしていたブログが終了してしまうのは悲しい。
これが現実の世界で起きたことなら、
みんなでまとまって本人に文句を言うことだってできるのに、
そもそも犯人が誰なのかもわからない。
こんなときの為に、
インターネット上の警察でもできればいいと思った。
それにしても、ブログの終了とほぼ同時に
初めてお店に伺うことになるなんて、なんだか不思議な感じ。
そして文通相手に初めて会いに行くような気持ちです。
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